命名旗を飾る赤ちゃんの行事と年中行事

命名旗と名前旗はどのようなときに飾るのでしょうか。また、飾り方にマナーやルールはあるのでしょうか

 

神棚と命名旗

お七夜に飾った命名書ですが、神棚や簡易神棚に向かって低い位置に飾るお話をしました(命名書の飾り方)。それと同様に神棚や仏壇の位置よりも低い位置に命名旗、名前旗を飾るようにします。それは命名旗や名前旗に記された赤ちゃん本人が神様やご先祖様に対し敬意を払う意味になります。又、神棚や仏壇からお名前が見えるように設置してください。期間の決まりはありません。お宮参りやお食い初め、上巳の節句(ひなまつり)や端午の節句などに合わせ、限りの良いタイミングで出し入れしてよいでしょう。

命名旗、名前旗を飾る行事

命名旗、名前旗はお七夜の命名式以降もずっと活躍します。お赤ちゃんは生まれてからたくさんの行事がありますが、家族の年中行事もあるので始めの一年は飾りっぱなしかもしれません。年中行事は全て、家族の邪気を払い無病息災を祈る家族愛の儀式ですからその年中行事に命名旗、名前旗を飾ることは自然なことと言えます。

お食事の席を外の施設で設ける場合などは、上座の近くが適しています。和食の場合は掛け軸や花が活けてある場所の近くです。そのような置く場所がない場合には係の人に命名旗、名前旗を飾る仮の机などを提供してもらいましょう。洋食や中華の場合には写真の背景となるような窓際の明るい場所が適しています。

 

赤ちゃんの行事

一生の内、大事な節目に年齢に合わせて執り行われる行事のことを「通過儀礼」といいます。通過儀礼にはお宮参り、お食い初め、七五三、成人式、厄落とし、長寿の年祝いなどがあります。

  • お七夜(命名式):生後7日目の行事

お七夜(おしちや)とは、赤ちゃんの健やかな成長を願い産後7日目に行われるお祝い。平安時代からつづく民俗行事で、生まれた子に名前をつけて、社会の一員として仲間になることを認めてもらう儀式。 赤飯や尾頭付きの鯛、昆布、紅白の麩などの祝膳を家族で食べ、お宮参りまでの約1ヶ月間、命名書を飾ります。 この時に間に合えば、命名旗も一緒に掲げてください。お祝いに来てくれた親戚にお披露目してください。

 

  • お宮参り:生後1ヶ月頃の行事

生後1ヶ月頃に地元の氏神様に赤ちゃんの誕生を報告し、無病息災を祈願するお祝いです。 男の子は生後31日目、女の子は生後32日目が一般的ですが、地域によって異なります。現在では細かい日数にはこだわらず、ママの体調や親族の都合、天候のよい日を考慮して行われる場合がほとんどです。会食する際に命名旗を掲げてください。

  • お食い初め:生後100日目の行事

お食い初め(おくいぞめ)とは、赤ちゃんが生涯食べることに困らないように、赤ちゃんの歯が生え始める生後100日目頃にお祝いする儀式です 赤飯や尾頭付きの鯛などのごちそうを食べさせるまねをして、家族みんなでお祝いをしてあげましょう。会食する際に命名旗を掲げてください。

お食い初めと名前旗の記事

 

  • 初節句:生後初めての節句~毎年

赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句では、邪気を祓い子供の健やかな成長を祈願します。 女の子は上巳(じょうし)の節句(桃の節句のほうが認知されています)3月3日。男の子は端午の節句5月5日です。 3月3日の上巳の節句には雛人形を飾り、両家の親族を招いて、ちらし寿司やハマグリのお吸い物、白酒などのお祝い膳を囲みます。5月5日の端午の節句も同様に、鯉のぼりや武者人形を飾り、チマキや柏餅を食べてお祝いします。 お人形と一緒に命名旗を掲げて下さい。

  • 一升餅背負いのお祝い・誕生日

満一歳を迎えた赤ちゃんならば「一升餅背負いのお祝い」をしましょう。この行事は一升のお米で作った丸餅を赤ちゃんに背負わせて歩かせる儀式ですが、「一升=一生」食べることに困らないようにと願いが込められています。親戚を集めて会食するときなど命名旗、名前旗を飾ってください。

命名旗には六十干支、年号、月日の他に西暦も併記されていますから、毎年お子様が生まれて何年経ったのか確認できる他に、ご家族それぞれの歳も同時に確認できます。飾る度に生まれた瞬間の感動を思い出すとともに改めて感謝の想いが湧き出てくるでしょう。

 

  • 七五三

‎11月15日が「鬼宿日」で災いが外界に現れないといって七五三に最良の日とされます。 現在は家族のスケジュールに合わせて、10月中旬から11月下旬で六曜の縁起のよい日に行うことが多いようです。 江戸幕府の将軍綱吉のお参りの日が、11月15日(旧暦)に執り行われたことで庶民に定着したといわれます。 氏神様のおはす神社へ詣で、お子様の無事の成長の報告と感謝をします。 写真撮影や会食の際に命名旗を掲げてはいかがですか。‎

 

年中行事

五穀豊穣への祈りと感謝、家族の無病息災を祈る季節の節目に行われる行事のことです。

神様へのお供えと共に命名旗、名前旗を飾りお子様の無病息災を祈ります。

 

  • 年末~お正月~人日の節句~小正月1月15日

 

  • お正月 元旦

大晦日からお正月は、親戚縁者一同に赤ちゃんをお披露目する機会です。このとき初めて会う親戚も多いと思いますので命名旗もお持ちになってください。親戚の皆さんが名前を憶えてくれるでしょう。

  • 人日の節句(じんじつのせっく)

1月7日は五節句の一つである人日の節句(じんじつのせっく)です。 春の七草を炊き込んだ粥をいただいて邪気を祓う日です。七草囃子を唱えながら一種類ずつ材料を包丁で刻んでいきます。七草囃子:「七草(ななくさ)なずな 唐土(とうど)の鳥が日本の国に渡らぬ先に七草たたく ストトン トン トン 」 この唐土の鳥は「鬼車鳥」をさすといいます。この日は新年はじまって、初めて爪を切る日です。なずなを水に浸し。この水に爪を湿らせて切ると「鬼車鳥」が来ないといわれます。この儀式は「七草爪」「菜爪」といわれます。 鬼車鳥:頭が九つあり子供をさらう妖鳥で、夜目に耐え、人家の軒下を窺って人の捨てた爪を食べにくると信じられていました。この鳥は血を流していて、その血が衣服に付くと病気になるといわれています。この言い伝えは当にインフルエンザを予期していたかのような伝承です。家族の無病息災を祈る行事です。

  • 鏡開き

年神様にお供えした鏡餅を刃物を使わずに細かくしていただきます。江戸時代の武家では、武具に備えた鏡餅(具足餅)を降ろして雑煮にすることを「刃柄をいわう(はつかをいわう)」ということで1月20日に行われていたこの行事、将軍家光公が20日に亡くなったことから11日に行われるようになったいわれがあります。

鏡開きのイラスト

  • 小正月

元旦からの三が日を「大正月」と呼ぶのに対して、小正月と呼びます。旧暦では年初めの満月になりますが、現在の暦では満月とはかぎりません。「望粥」とよぶ小豆粥をたべて物忌みやお籠もりを解きます。この日、豊穣の祈りに、栃(とち)榎(えのき)水木(みずき)等の木の枝に繭の形の餅や団子をつけて飾ります。 「成木責め(なりきぜめ)」という実をつける木に対してたくさん実をつけるよう約束させる儀式もこの日です。斧をもって「よい実がならねば切るぞ」と木を脅し、別のひとが小豆粥の入った椀をもって「なります なります」と問答します。その後に斧で幹に軽く刻みを入れて、小豆粥の汁を刻んだ箇所に流します。呪術的な儀式ですが、実際、枇杷などは幹を傷つけるとよく実のなるものがあるそうです。 1月14日の夜か1月15日の朝に正月に飾った注連縄や門松、を燃やして年神様をおくる「松送り」をします。「どんと焼き」「左義長(さぎちょう)」といわれる行事で、書初めをより高く燃やすと字が上手になるいわれから、竿につけて燃やしたりします。この焚き火で餅などを焼いて食べると一年病気にならないと信じられています。年神様はこの小正月に山へ帰っていくとされ、年神様がいる期間は命名旗を掲げてご加護を望みたいですね。

左義長のイラスト

  • 節分・立春

立春前日にやってくる災い厄病をもたらす鬼を追い払い、春をもたらす神様を迎えて豊穣を祈る儀式です。宮中の鬼を追い払う儀式「追儀(ついな)」(弓の弦を鳴らして鬼追いをする)が現在の豆まきの形に変化したようです。 炒った豆をお供えしてから豆をまき、年の数だけ豆を食べます。節分の夜には、戸口や軒下に柊(ひいらぎ)の小枝に鰯(いわし)の頭をさした「やいかがし」をさします。鬼を遠ざけるといわれます。家族の無病息災を祈る行事です。

節分のイラスト

  • 初午

二月最初の午の日は「初午」で、全国の稲荷神社で祭礼が行われます。京都伏見の稲荷神社(稲荷社の総社)の神様が降臨したといわれる日です。全国各地の稲荷神社で豊作、商売繁盛、開運、家内安全を祈願します。初午のお供えは、赤飯、豆腐、いもこんにゃくの煮物などで、神社では油揚げをお供えするところもあります。王子稲荷では凧市が開かれます。凧は風を切る火事除けの縁起物です。関東地方ではこの日に針供養の法要が行われる神社もあり、縫製の仕事にに関わる人々は折れた針や古い針を感謝を込めて豆腐やこんにゃくなどの柔らかい物にさして供養をします。

  • 上巳の節句(じょうしのせっく)、桃の節句

上巳とは旧暦3月の最初の巳の日のことです。毎年変動するので便宜上3月の3日に固定したもので、女の子の健やかな成長と幸福を願うひなまつりの日です。元は災いや穢れ(けがれ)を「ひとがた」「形代(かたしろ)」というひとの形にした紙に負わせて、川に流す儀式でしたが、平安時代の「ひいな遊び」というおままごと遊びと人形遊びが変化して、ひな人形に厄を引き受けてもらうようになりました。桃の節句とも呼びますが、これは旧暦では桃の花の開花時期にもあたりますが、桃という厄除けや神様に供える神饌の特別な果物にも影響があると思われます。ひな人形を飾るときに一緒に命名旗、名前旗を飾ってください。

菱餅のイラスト

  • 春のお彼岸・春分の日

太陽がほぼ真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ同じ半分半分になります。夏至まで昼の比率が多くなっていきます。彼岸中日で、春分の前後3日間をあわせてお彼岸です。豊作を祈りぼた餅をお供えします。ぼた餅は「牡丹餅」と書きますが、秋分の頃になるとその名を「お萩(おはぎ)」と変えます。お墓参りでご先祖様の成仏を祈り、家族の報告をします。仏壇があれば命名旗、名前旗を傍らに飾り家族の無病息災を祈ります。

牡丹餅のイラスト

  • 端午の節句

端午とは仲夏端め(ちゅうかはじめ)の五日の意。5は午と同じ発音の為に変化したもので「午の日」ではありません。旧暦の五月五日は入梅の時期で、菖蒲(しょうぶ)、蓬(よもぎ)など香りの強い植物で毒気を払う習慣がありました。この「菖蒲」が武を尚ぶ(とうとぶ)「尚武」に通じることから男児の節供となりました。農村ではこの日、早乙女とよばれる女性たちが菖蒲の葉で葺いた小屋に籠り心身を清めてから田植え作業に臨んでいた日で、この「娘宿」とよばれる小屋の中に籠る際は、菖蒲酒が飲めるなど女性たちは自由にふるまえる日でもありました。宮中では「薬猟(くすりがり)」といい鹿の新角や薬草をとる行事が行われました。この「薬猟」は別名「競駆(きそいがり)」ともいい練武も兼ね、走馬、騎射の訓練にもなりました。とった薬草、鹿角は「薬玉(くすだま)」にして飾りつけ邪気をはらいます。この「薬玉」は9月9日の「重陽の節供」まで飾り、「茱萸(ぐみ)袋」に掛け代えます。どれも菖蒲や薬草のなどの香りの強い植物で邪気をはらう節日という意味合いがあります。邪気を払い、家族の無病息災を祈る行事です。

こどもの日のイラスト

  • 夏越の祓

一年の折返しにあたる6月30日に各地の神社で行われる季節の行事です。 茅の輪くぐりをして半年分の穢れを落とし、残りの半年の無病息災を祈願します。神社での行事ですので、家では飾り物はありませんが、京都では水無月という和菓子がありこの日に欠かせない食べ物になっています。神社から戻った後にお菓子をお供えして神様やご先祖様に家族の無病息災を祈りましょう。

茅の輪くぐりのイラスト

 

  • 七夕の節句

七夕を「たなばた」と読むのは不思議なことです。「たなばた」は本来「棚機」と書き「はたおり機」を意味します。本来「七夕」は「しちせき」と読み「七夕の節句」は「しちせきのせっく」と読みます。この七夕の節句は、古代中国の織姫と彦星の故事から、織姫にあやかり縫製技術の上達を祈る儀式が時代と共に、笹に願いを書いた短冊を吊るし川に流して成就を祈るものへと変化しました。

短冊に書くべき願いとは自分の技術向上や上達で子供たちの弛まぬ努力を促すものです。七夕飾りを作るときや、七夕の季節の料理を食べる際に命名旗、名前旗を飾って子供たちの成長を祈る日にしてください。

 

  • お盆

お盆も親戚縁者一同に赤ちゃんをお披露目する機会です。お母さんはお嫁さんとして忙しいでしょうから、命名旗にお披露目の仕事をさせて、 お休みするなりお手伝いするなりしてください。お父さんもお盆の挨拶回りが忙しいでしょうが、ご家族を労わってあげてください。 ご先祖様たちがおうちへ戻ってきているとされるお盆に是非、命名旗を掲げて下さい。滅多に会わない親戚一同もお子様のお名前と年齢を確認できます。

  • 重陽の節句

まだまだ夏の盛りで暑い時期です。奇数は縁起のいい「陽数」とされ、9月9日は最も大きい「九」が重なることから重陽の節句となりました。この日は菊の強い香りを以て邪気を払い、家族の無明息災と長寿を祈ります。平安時代には菊の花を集めて綿を乗せ、菊の香りが移った綿で寝具を整える習慣があったそうですが、現在ではカモミール系のお茶や入浴剤で代用できそうです。おやつに菊の花をあしらったお菓子や夕飯に栗ご飯など季節のものをいただいて、お子様の命名旗、名前旗も掲げて家族の邪気払いと無病息災や長寿を祈りましょう。

  • お月見 十五夜

お月見には十五夜と十三夜があります。お月見の行事は食べ物をお供えして、収穫への感謝をする行事です。まだ、新米の収穫には早いことから、ススキを稲穂の見立てて飾る風習があります。命名旗、名前旗をお供えの傍らに飾り、食べ物、収穫への感謝をすることを教える良い機会です。

旧暦8月15日の月の満月(新月(八月一日)から十五日で満月になります)を「中秋の名月」と呼びます。お彼岸前のまだ暑い盛りで忘れがちですが、三方に十五個の月見団子とススキを供えてその年の収穫を感謝する日となります。

芋迷月のイラスト

 

  • 秋のお彼岸、秋分の日

太陽がほぼ真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ同じ半分半分になります。冬至まで昼の比率が少なくなっていきます。彼岸中日で、秋分の前後3日間をあわせてお彼岸です。豊作を祈りおはぎ餅をお供えします。「お萩餅」と書きますが、春分の頃になるとその名を「ぼた餅は(牡丹餅)」と変えます。お墓参りでご先祖様の成仏を祈り、家族の報告をします。仏壇があれば命名旗、名前旗を傍らに飾り家族の無病息災を祈ります。

おはぎのイラスト

 

  • お月見 十三夜

旧暦9月13日を十三夜と呼び、旧暦8月15日の月に対しては「後の月」となる。十三夜は「豆名月」「栗名月」と呼び収穫への感謝、翌年の豊作を祈る。お供えするものは、この年に採れた旬の果実や栗、芋。月見団子は13個です。三方に盛り付ける場合は下段9個上段4個の二段になります。

お月見栗名月のイラスト

 

 

  • 亥の子

猪の多産にあやかり子孫繁栄と無病息災を祈願する宮中行事でした。宮中では「御玄猪(おげんちょ)」といい、一の亥(旧暦10月の1回目の亥の日)は忍(しのび:房付きの飾紐)と菊、二の亥は忍と紅葉、三の亥は忍と銀杏を添えて飾ります。京都の護王神社では亥の子餅つきの神事を再現した「おつき式」でついた亥の子餅を神前に供えると共に調貢行列(ちょうけんぎょうれつ)をつくって京都御所へ献上します。

亥の子餅は源氏物語にも登場します。光源氏が若紫と初枕を交わした次の朝が一の亥で、五色の亥の子餅を見た光源氏が乳母子の惟光に、婚儀の三箇夜餅(みかよもち)をつくるようほのめかす場面です。古来の亥の子餅は、大豆(きなこ)、小豆、大角豆、胡麻、栗、柿、糖の7種の粉を混ぜたものを小さく俵状に形造った餅にまぶして五色にしたもの。または白、黒、赤の三色に色付けしたものと考えられています。

亥の子餅

その後、徳川幕府も行うようになったので武家でも祝うようになり、次第に庶民にひろまりました。この日に食べる餅を「亥の子餅」と呼び「玄猪(げんちょ)」「亥の日の祝」「亥の子餅の祝」としてまつります。主に西日本に多い風習です。旧暦10月の亥の日いずれかを選んで「亥の子餅」を三方に盛ってお供えし、家族でたべたり親戚知己に配ったりします。

東日本の「十日夜(とおかんや)」という収穫祭はこの亥の子が変化したものだともいわれております。旧暦10月10日の夜に、藁を固く束ねた藁鉄砲(わらでっぽう)で地面を叩く風習があります。この日は豊穣を司る神様が山へ帰る日とされ、収穫への感謝と翌年の豊穣を願い餅や大根などの供物が捧げられます。藁鉄砲で地面を叩くことにより、畑を荒らすモグラを除き、大地の生産力を高める意味があるといいます。子供達が藁鉄砲で地面を叩きながら農家を回っていくと、先々でお菓子をもらえます。日本オリジナルのハロウィーンのようなものです。地域で子供達を大切にしているんですね。

 

  • クリスマス

日本古来の年中行事ではありませんが、夜、サンタクロースが訪れた際に子供達へのプレゼントを命名旗、名前旗の前に置いてくれると誰のプレゼントなのかが子供たち自身で判るのがいいですね。

 

  • 正月事始め 12月10日頃 ~ 12月28日

東大寺の大仏殿煤すす払いのニュースが流れてくる頃になると年神さまをお迎えするお正月の準備季節になります。大掃除から初めてお正月飾りを12月28日までには終わらせましょう。

お正月の餅は12月25日から28日の間についた餅が良いとされます。29日は「苦餅」、30日31日は「一夜餅」といい忌み嫌われます。30日はお正月前日ではありませんが、旧暦では12月31日は無いために30日も同義になります。飾りつけも同様で29日は「苦」、30日31日は「一夜飾り」となります。

年神さまは鏡餅に宿るとされています。できれば木製の三方に鏡餅をかざり、近くに命名旗、名前旗を飾ると素敵な室礼飾りになります。

 

 

 

飾り方のルール(避けるべき設置場所とは)

命名旗、名前旗は基本的にお住いの一番良い場所に設置することが望ましいです。そうした場所は大体、「居間」になっているか大きなお宅では奥座敷になっているかもしれません。

反対に避ける場所としては

  • 玄関
  • ペットのいる場所
  • 北側の暗い部屋、東北の鬼門方向の部屋
  • 廊下

などが挙げられます。

いくら広い玄関でも、そこはご自宅の出入り口であると同時に「忌まわしいもの」を遮る「関所」でもあります。靴など臭いを発するものは穢れとされるので、命名旗、名前旗を一時的にも置くことはよくありません。また、家族同然のペットでも排泄場所の近くや、エサの場所も臭いを発する場所は「穢れた場所」といえるので避けましょう。旗の飾り房などは恰好のおもちゃになってしまいます。北側の暗い部屋、東北の鬼門の部屋はお住いのお部屋にわざわざ大事なものを飾ることはありません。お家の都合上仕方ない場合もあります。その場合は清潔に保つことが重要です。廊下に直に置くこともないと思いますが、集合住宅にある廊下の飾り棚などもふさわしくありません。トイレやお風呂が近くにあったりする上、移動するための場所なので気が落ち着かないからです。このように、基本的に神棚や仏壇を置かない場所は命名旗、名前旗を飾る場所としてはふさわしくないことが多いようです。

飾り方のマナー

大事な赤ちゃんの命名旗、名前旗ですが、ご自宅以外で飾る場合には配慮が必要なことがあります。

例えば赤ちゃんのお父さんのご実家に、たくさんの子供達がいる場合には注意が必要です。全ての子供達に命名旗、名前旗があるとは限りません。特にご自身で旗を準備されたときに他の子どもたちが持っていなかったら?もしご実家から贈られたものだとして、ほかの親せきの子供達には贈っていなかったとしたら?もし妊活中の義理のコワイお姉さんがいたら?そんな時に堂々と命名旗、名前旗をご仏壇の前に飾ってしまったら?考え出したら際限なく怖い想像になります。

このような場合には、赤ちゃんのお父さんがキチンと挨拶して命名旗、名前旗をお披露目するかしないかを決めればよいのです。そのあたりの感情の起伏はその家族によって異なりますので、よくご存知のお父さんが主導するべきです。もし、命名旗、名前旗を飾らないとした場合には、そんな時にはサラッと赤ちゃんと一緒に撮った命名旗、名前旗の写真をお披露目するにとどめましょう。何事も配慮が大事です。

又、外での会食の場合ですが、会食の場が回転すしや、ビュッフェ形式のお店であったら飾るのは控えたほうがよさそうです。人が動く場では飾り物を置くだけでも危険でし、厳かな雰囲気の場ともいえません。ふさわしい場かどうか確認してください。

 

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