お七夜

由来

平安時代からつづく民俗行事で、生後七日目(生まれた日の翌日を1日目として7日目)の夜に赤ちゃんの名前を付ける儀式です。氏神様(日頃参拝する近くの神社に祀られている神様)と親戚や家族に赤ちゃんの名前を報告するものです。これにより赤ちゃんが社会の一員として仲間になることを認めてもらう意味になります。

七日目まで待って初めてお名前をお披露目したのは、昔は医療技術の遅れにより新生児の死亡率が高かったためで生まれたばかりのときでは名前をつけませんでした。

 

室礼・飾り方

家に神棚や仏壇があれば、その近くに命名書を掲げます。神棚に掲げる場合は「氏神様」への報告を意味し、仏壇に掲げる場合は「ご先祖様」に報告する意味を持ちます。

神棚と仏壇が両方、別々のお部屋にある場合は其々の部屋に掲げます。大体、お宮参りの頃まで30日間ほど掲げておきます。命名旗、名前旗の場合は神棚のある部屋に飾るようにします。

神棚や仏壇がない場合には、簡易的な神棚を設ける方法もあります。

出産後間もない頃なので、お母さんの体調を気遣うことが大切です。お父さんが中心になってお祝いの準備をするのが望ましいです。名付け親、祖父母や親戚の皆さんと一緒に食事の席を囲むのがよいでしょう。

仕出し料理やお寿司などを頼み、料理の負担を減らすのが一般的です。料理のできる祖父母の方がいらっしゃれば、伝統的な祝い膳を一緒に準備すると料理技法の伝承の機会にもなりますね。

 

お七夜の料理

お赤飯

古代のお米は赤かったそうですが、赤いお米を神様に供えていたようです。赤い小豆は薬として用いられたこともある栄養価の高い穀物です。その小豆ともち米を一緒に蒸し上げることでお赤飯になります。お赤飯の赤には邪気を払い魔を除けるの力があると考えられてきました。蒸しあげたお赤飯は先に神棚にお供えし、お下げしたお赤飯を頂くようにします。

鯛の尾頭付き

尾から頭までの「首尾一貫全うする」意味にお目出たいの「鯛」で縁起のある食べ物です。お赤飯同様、先に神棚にお供えし、お下げした鯛を頂くようにします。料理としては鯛の塩焼きが一般的ですが、鯛飯にすると見た目が良い上に、席を囲んだ皆様に同じように配れるほか、意外と簡単に作れるのでお勧めです。

お祝いの贈り物

お七夜の席に招待されたら、お祝いを持参します。「出産祝い」として現金と共に、母乳の出やすい大福などのお菓子を贈ると喜ばれるでしょう。

もし赤ちゃんのお名前が既に決まっているのならばご夫婦と相談して、「命名旗」「名前旗」を贈ってはみてはいかがでしょうか。お七夜のその日から飾り一同で記念撮影すればとても記憶に残る一枚になるでしょう。

 

内祝い 返礼

お七夜は身内のお祝いなので基本的に返礼品は必要ありません。お食事の席を設けたことで十分に礼を尽くしたことになります。

お祝いを頂いた方がお七夜の席に出られない場合には、「内祝い」としてお菓子などを贈るのがよいでしょう。贈り物の金額は大体頂いた額の半分以下程度を目安にします。多すぎると頂いたお祝いを拒絶する意味にも捉えられて礼を欠くことにもなりますので注意が必要です。尤も、若いご夫婦には皆さん出費を抑えてもらいたいものですから、金額云々よりも礼を尽くす態度が大事です。熨斗紙には赤ちゃんの名前で「命名内祝」「内祝」と記します。

 

出生届の期限

役所に届ける出生届は、生まれた日を第1日として14日以内に届け出ることが戸籍法によって定められています。

海外での出産の場合は3ケ月以内に届け出ることが必要で、この期間内に届け出ないと日本国籍を失う可能性もあるので注意が必要です。

届け出る人は赤ちゃんの父,母だけではなく,同居者,出産に立ち会った医師・助産師でも届け出ることが可能です。提出先は赤ちゃんの出生地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場になります。

 

 

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