「古事記」では、追ってくる黄泉の軍勢を伊弉諾尊(イザナミノミコト)が桃の実で追い払います。宮中行事の追儺の行事で用いる弓は桃の木で作られているそうですし、物語の桃太郎が鬼退治するのも、桃には霊力があり、魔除けとして長く信じられていたことから来ているとおもわれます。

ひなまつりは上巳の節供といいますが、桃の節句ともいわれます。桃の花を飾り桃酒を飲むのもそうした桃の霊力によって、邪気を遠ざけるためなのです。

奈良県の纒向(まきむく)遺跡(3~4世紀)において祭祀に使われたと思われる桃の種が大量に出土しています。

纒向遺跡の桃の種出土品
纒向遺跡の桃の種出土品

古代中国においても、桃には邪気を祓う霊力があり「桃之夭夭」と云われ桃の実を食べることで子孫繁栄になると信じられており、その伝承が様々な調度品や織物の文様とともに日本に伝来したものと思われます。

 

桃の家紋もこうした魔除けと子孫繁栄の思想から使われたと思われます。

 

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桃の家紋

丸に一つ桃

丸に葉敷き桃

葉付き三つ桃