五行の配当 十二支

十二支といえば年賀状や神社の絵馬に用いる動物のイラストでお馴染みですが、本来の十二支は時間と方位を表しています。時間とは年、月、日、時刻のことです。月の満ち欠けは約29~30日で一巡します。これを12回繰り返すと大体1年。12という数字が重要で、この「12」という数字は2分割3分割4分割6分割もできる便利な数字であったので、社会において暦、時間を共通認識として浸透させるために其々に十二支という動物を充てて人々に分かりやすくしたものであろうと推測されます。方位とは東西南北360度を十二等分して北の「子」から時計回りに十二支を配したものです。

大陸の「漢」の時代に成立した陰陽五行思想は世の中全ての事柄をこの思想によって解明、予想するという「基準」なので、重要な暦(時間)、方位についても五行に配当されてゆきます。陰陽五行思想によって年や時間、方位を配当していくことで、他国との戦いの優劣や戦局を予想するようなことから、豊作凶作、天候、天変地異、人と人の相性などの占いなど、人間の力では制御不能な事柄を予想し施政に反映させたり、対処してゆくことができるようになると信じられていきます。

陰陽五行思想を十二支に配当することは、方位と時間を取り入れることになるので配当の中でも特に重要です。

五行の配当 時間と日

十二支は「ひと月」「時刻」に充てられています。どちらも12単位で丁度よいです。

月は、1月から12月まで、睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走という名称がありますが、現在の暦では12月を子として、時計回りで十二支が充てられています。1月は丑、2月は寅、3月は卯、4月は辰、5月は巳、6月は午、7月は未、8月は申、9月は酉、10月は戌、11月は亥という具合です(旧歴では11月が子にあたります)。

時刻は、十二支はじめの「子の刻」は現在の23:00~1:00の2時間に相当します。お昼の11:00~13:00は十二支の6支目の午になります。現在でも12:00が「正午」という呼び名で習慣として残っていますが、午の刻の真ん中という意味です。又、「草木も眠る丑三つどき」という言葉がありますが、丑の刻1:00~3:00の2時間を30分毎に分けて(1:00~1:30、1:30~2:00、 2:00~2:30、2:30~3:00)その三つ目2:00~2:30に相当します。

五行の配当 年と日

年と日には十二支ではなく「六十干支」が充てられています。この内容については別の記事にて説明したいと思います。

五行の配当 方位

方位とは東西南北360度を十二等分して北の「子」から時計回りに十二支を配したものです。それとは別に東西南北を「四正」といい、それぞれの中間、北東、東南、南西、西北の「四隅」を「八方位」といいます。四隅に充たる十二支は丁度境目にあたる為にありません。なので、東北は丑寅「艮」、東南は辰巳「巽」、南西は未申「坤」、西北は戌亥「乾」と表します。

 

十二支の五行配当

十二支五行配当図
十二支五行配当図

 

注1:とても悩ましいのですが、五色の配当の通りに色分けすると十二支は木→火→土→金→水 の順番に循環していません。土は中央と、木、火、金、水の終わりに配され、土用という季節の変わり目に配当されます。

注2:月は新暦で表示しています。

 

生まれ月の色

十二支五行配当図を見ると、1年12ケ月の其々の月が五行で色分けされています。例えば、2月、3月生まれの人は「木」、5月、6月生まれの人は「火」、8月、9月生まれに人は「金」、11月、12月生まれに人「水」、1月、4月、7月、10月生まれの人は「土」になります。木、火、土、金、水の要素にはそれぞれ色が配当されています。

ここで疑問が生じるかもしれません。例えば「私は占いで「土」の年に生まれたと云われているけれど、5月うまれだから「火」なの?」というような疑問です。答えとしては応です。人は、生まれ年、月、日、時刻、生誕場所、などそれぞれの五行の異なる要素を持っています。その人によって、木、火、土、金、水の要素の比率が異なり、そこで相手との「相性が良い」とか「相性が悪い」というような事柄を五行の「相生」と「相克」の考えにも続いて判断していくことににつながるわけです。

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