雪の意匠
室町時代に笹紋の上に雪が降り積もった状態の雪持文様が登場します。この雪持文様は主体は笹のような植物で雪は意匠の付属的なものした。
雪花図説
その後、江戸時代天明の頃に下総古賀藩の藩主、土井利位(どい としつら)が顕微鏡を用いて雪の結晶を図案化した「雪花図説」を著します。古賀は現在の茨城県の西側ですが、織物産地の桐生にも近く、当時新しいデザインとして「雪花図説」の図案は、織物の文様に取り込まれて社会に広まってゆきます。文様化された意匠は家紋に転用されやすいのですが、雪として単体で用いられる家紋はこの雪花図説の意匠そのものが使用されています。
画像出展:国立国会図書館デジタルコレクション
家紋としては希少で、雪輪を外郭としてその中に、笹や沢瀉などの別の家紋を取り込んで用いられることが多いようです。
雪の家紋