家紋の外郭枠とは
輪や角枡、菱の紋は、中央に紋様を置くことにより別の家紋となります。
古来、本家と分家に分かれた際に、その一族の流れを汲む証しとして本来の紋に外枠を設けて別の紋とするようなことがありました。その反対に外枠を外す、別の外枠を設けるなども同様に親戚筋の所縁をしめしつつ家の紋を分ける方法です。
又、婚姻した女性が身に着ける礼服である黒の着物、「黒留袖の五つ紋(※1)」を実の母から受け継ぐために、実家の紋をそのまま使用することがあります。これを女紋といいます。女紋は実家の正式な定紋に縁のある形にして、細線で描いた陰紋や中陰紋、糸輪で囲むなど変化をつけました。
※1:着物の正面両胸部分、両袖の背側、背中中央に一つで計五つの紋を染めます。他に三つ紋、一つ紋の着物がありますが格式を落とした催しや訪問着に用います。
こちらでは、そのような輪や角などを家紋を形成する外郭枠として紹介します。
家紋名が判らない場合には「外郭枠」をさがす
家紋名はおおよそ「外郭紋の名称」+「家紋中央にある紋様の名称」になっていて、入れ子の外側から内側に向かって名前がついています。
もし、皆さんの家紋が家紋表にない場合でも、中央の紋が表の中のなにかしらに該当するものがあると思います。その場合、外枠である紋を探し出せば自ずと家紋名は判明します。
家紋の外郭枠としての「輪」
家紋の外郭枠としての「角・枡」
家紋の外郭枠としての「菱」
家紋の外郭枠としての「亀甲」
家紋の外郭枠としての「庵」