鉞は樹木を伐採するための大きい斧のような道具ですが、中世までは武器の一つでした。「太平記絵巻」では南朝方赤松氏範と対峙する長山遠江守が鉞を持つ姿があります。

大陸では鉞を権威の象徴として、皇帝が出陣する武将に鉞を授けて全権を委任する儀式がありました。
天子が将軍に斧鉞(ふえつ)を授けるということは将軍に生殺与奪の権を与えると意味とされ、出征を祝い戦勝を祈願する象徴としての鉞になります。
日本書紀には、帝が東征する日本武尊に鉞を授けたことが記されています。

又、鉞である斧は「よき」とも読み、「善き」に通じて吉祥にもとらえられます。
鉞の表裏には「流し目」とも「脂ぬき」とも呼ばれている七つの筋があります。裏側の胴に刻まれている三本の筋は「み」、表側の四本は「よ」で「みよけ」となり、「魔よけ」の意味と昔から言われています。昔、深山で大木を伐採する杣人たちに危害を加えにきた魔物に対して、この「七つ目」が法力を放って消滅させ、危険を防止させるという護符であり、伐採する大木の霊に捧げる呪文であるとも言われています。家紋には主に裏側の三本筋が描かれることが多いようです。

鉞の家紋







